*令和5年度 展覧会のご案内
●4月6日(木)〜7月2日(日) 所蔵日本画展 耳を澄ませば 絵画には風景や人物、静物などの主題に沿って描かれたものから、具体的な形態を示すことなく色や形の配置や調和で構成される抽象画などがあります。それらの作品は誰が見ても同じように目に映っているとは限らず、絵画作品を通じて感じることは人それぞれに異なる多様なものではないでしょうか。 海辺の風景からは打ち寄せる波音や周囲の木々のざわめき、また点在する人物の話し声など、今回の展示では所蔵する日本画から何らかの音や気配がイメージされる作品を展示します。 ゆったりとした気持ちで作品と向き合いながら、絵画からのささやきに耳を傾けたり、日本画の特徴とも いえる余白から余韻を感じたりしながら鑑賞をお楽しみください。 ●9月7日(木)〜12月3日(日) 茶道具にみる不易流行 −桃山から令和−
千利休によって大成された茶道は、それまでの唐物中心から「侘び」の思想が具現化された茶道具が用いられるようになりました。一方、利休の高弟ながら「織部好み」の意匠を流行させた古田織部や、「綺麗さび」の美意識を茶の湯にもたらした小堀遠州をはじめ、その後においても侘びの理念を継承しながら多彩な茶道具が使われ伝わっています。さらに時代を経て令和となった現代においてもさまざまな茶道具が作られています。 秋の茶道具展では利休が好んだ黒楽茶碗や竹花入など侘びを表すものから、織部好みの沓茶碗や耳付茶入、遠州が指導したといわれる端正で優美な高取水指や志戸呂茶入などのほか、千家流家元ゆかりの品なども展示いたします。また明治以降も陶磁器や漆器、木竹工芸などの伝統工芸を受け継いで発展させた昭和から平成にかけて活躍した工芸家による作品や、現在も日々研鑽中の人気作家による茶道具をご覧いただきます。 時代とともに流行が反映された茶道具の「不易流行」を感じていただければ幸いです。 ●令和6年 1月6日(土)〜2月4日(日) 新春万福 −吉祥の日本画と工芸−
年賀状の賀詞に使われる「新春万福(ばんぷく)」は、新年にあたり多くの幸福が訪れるように願うことを意味します。新春展ではご来館された皆さまの万福を祈って、一階展示室では新春にふさわしい七福神や日の出、小松引きや若菜摘みといった行事のほか、めでたさの象徴として知られる富士山や鯛を描いた作品と共に、長寿や富貴、立身出世など幸福を暗喩する画題の作品を展示します。 二階展示室でも同様に、七福神や鶴などが立体的に形作られた香合や皿、蓋置などの茶道具や人形、松竹梅や宝船などの文様が絵付された茶碗や水指、菓子器などをご覧いただきます。
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