令和3年度 展覧会のご案内

4月3日(土)〜7月4日(日) 
  
所蔵日本画展  墨色との語らい


 白い画面に墨一色で描かれた水墨画は、色彩豊かな絵画と比較すると地味で面白みに欠けると思われるかもしれません。しかし中国では古くから「墨は五彩を兼ねる」という言葉があるように、墨の濃淡による対比や融合、さらに筆触の強弱で極彩色の着色画に劣らない強い印象を与えるものもあります。本展では「墨線による表現」「にじみなど面的表現」「墨色中心の日本画」という構成で水墨画を中心に、墨彩画や水墨技法を用いた着色画もご覧いただきます。


 小林古径の緊張感ある美しい墨線のみで表現された白描画に対し、小川芋銭の一双「羅漢 龍虎」では太く伸びやかな線で遊び心に満ちています。また東西日本画の巨匠・横山大観と竹内栖鳳は水墨画にも積極的に取り組み、両者による墨のにじみを生かした味わい深い山水画のほか、洋画から転向し印象派を思わせる水墨画により新境地を開いた近藤浩一路や、渇筆により枯淡な味わいのある小杉放菴や藤井達吉などの作品を展示します。墨線の強弱や筆のかすれ、濃淡やぼかし、にじみによって画面に広がる多彩な墨色との対話をお楽しみください。





 竹内栖鳳 《水墨山水》
   竹内栖鳳 《水墨山水》 1934年
    



9月4日(土)〜12月5日(日) 
  
所蔵茶道具展
 茶事へのいざない


「茶事」とは、茶会を主宰する亭主や団体が多くの客を招く「大寄せ茶会」とは異なり、中心となる客(正客)を定め相客を考えて数名に案内を出して茶会を催します。特に正午に客を招いて懐石出す「正午の茶事」は茶事の基本となります。客は亭主の迎え付けを受けて席入りし、炉や風炉に炭をつぐ初炭ののち懐石と菓子のもてなしを受けると一旦外へ退出、その間に亭主は濃茶の準備をします。再び席入りして濃茶、さらに炭をつぐ後炭、最後に薄茶という流れで進行します。

 今回の茶道具展では正午の茶事の進行に添った内容で、まず身支度を整える寄付待合での設えから始まります。腰掛待合からの席入り後の初炭で用いる炭道具一式や懐石器具、さらに中立ち後に再び客を茶室に案内するために打ち鳴らす銅鑼など、展示機会の少ないものをご覧いただく機会となります。
 正午の茶事を経験した方はもとより、大寄せ茶会しか参加されたことがない方も概略が理解できるよう、展示を通じて茶事に招かれたような雰囲気をお楽しみください。

1月6日(木)〜2月6日(日) 
 
 新春展  やきもの対決 −大きさ・文様−


 
粘土をこねて器の形を作って焼いた容器は古くは土器に始まり、焼成技術が高まるにつて陶器、磁器と多彩なやきものが生み出されました。器としての機能のほか、装飾性を重視したもの、さらに前衛的なオブジェなど現代では多彩なやきものに出合うことができます。

 新春展では、茶席で用いる壺形の花入に対して美術工芸品としての大壺や、菓子器としての皿と装飾性をたたえた大皿など、同様な形でも大きさに違いのあるやきもので構成します。さらに花鳥文や幾何学文様など器に絵付された文様が似通った作品を比較できるよう並べて展示します。
 用に即したものから、用と美を兼ね備えたもの、さらに実用性を度外視し装飾性を追求したものなど、バラエティに富むやきものをご覧ください。
 
  薩摩金襴手人物図飾壺
*参加型ギャラリートークのご案内 (担当:桑山美術館学芸員 前田明美)

 絵画を見る楽しみは人それぞれです。しかし「絵の楽しみ方って?」「私の見方は正しいの?」などの思いを抱きながら、美術館で絵画作品に向かい合っていることはありませんか。また作品と向き合っても美術館側が提供するパネルや音声の解説を作品に照らし合わせて確認しているだけで、自分だけの感性で鑑賞してみたいと思いませんか。
 当館でのギャラリートークは、学芸員自身が上記のような絵画鑑賞への疑問や不満を解消できないかとの思いから毎年開催しています。まずは予備知識を持たず作品をじっくり見て、好きか嫌いか、なぜそう思うのかを参加された方々に尋ねることからからトークが始まります。他者の意見や感想からは、共感したり異なる感性に驚いたりと新たな解釈に触れる楽しみもあります。最後にトークの総括として、作品の背景や作者について学芸員が説明しますが、参加者が何気なく感じたことが作品の本質に迫ることもあります。気楽におしゃべりを楽しみながらご一緒に作品を鑑賞しませんか。
ギャラリートーク
ギャラリートーク 茶道具 *参加型ギャラリートーク (茶道具展) 

 茶道具は自由な解釈は難しいと思いギャラリートークは実施していませんでしたが、「ぜひ茶道具展でも」というご要望があり2016年から始めました。
 しかし単に説明を聞くだけの受け身ではツマラナイ、ということで参加された方にも発言を促すような問いかけを行い、絵画展のように気楽な雰囲気で会話を通じて作品の見所などを皆様とともに探ってみました。時代を経て伝えらえた茶道具には、茶の湯の歴史や流行によって好みが変化するものや、一貫するもの、また過去の茶人によって愛蔵されたものなど多くのことを語りかけてくれます。
 皆様と共にそれらの声を引き出し耳を傾ける機会になれば幸いです。
*フラワーアレンジメント教室のご案内

〔日 時〕 毎週水曜日  
        午前の部:11時〜12時30分  
        午後の部:1時30分〜3時

〔場 所〕 桑山美術館 別館1階多目的ホール

※入会金は無料です。

自由参加制につき都合に合わせてご参加できます。
フラワーアレンジメント作品  フラワーアレンジメント作品
受講生作品(2007年3月7日) 受講生作品(2007年3月14日)

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