四季に分けると春は3月から5月の期間をさしますが、陰暦では立春の頃に元日が巡ってくることから正月を意味することもあり「賀春」「迎春」などの賀詞が年賀状でも用いられます。
今回の展示では正月の風習である万歳や小松引きのほか、七福神、鶴、日の出などが描かれた日本画を1階展示室にて、また2階展示室では、手のひらサイズの可愛らしい布袋や大黒天などの香合や、宝尽しや松竹梅など新春に因んだ文様が施された茶道具をご覧いただきます。
正月から大寒にかけて最も寒い時期を過ぎれば徐々に春の足音が近づく「早春」から、春の盛りを過ぎた「晩春」へと季節が移り変わります。早春の日本画では宇田荻邨《嵐峡春雪》や、福田平八郎《紅梅》、一方、晩春になると木々も緑に色づく農村風景を描いた児玉希望《花晨》などが挙げられ、茶道具においても梅や桜が表現された水指や茶器を展示します。
開催期間はまだ寒さが厳しい時期ではございますが、作品を通じて新年を迎えた喜ばしさと、一足早い春の訪れをご体感ください。 |
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